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アーティスト・スタジオ訪問の初回は、ウィリアム・アランセ。彼のアビエーション・アート(航空絵画)を観ればすぐにわかってもらえると思いますが、一口に言ってこの人、完璧主義者。そして、やさしい。彼の自宅兼スタジオには車で行ったのですが、その道順の教え方の丁寧なこと。初めて通った道とは思えないくらいイメージ通りのドライブでした。 さて、アランセのスタジオはロサンゼルス空港からほぼ真東へ1時間ほどのところにあります。閑静な住宅街の一角にある、庭もよく手入れの行き届いた家で、ドアをノックするとアランセと彼のガールフレンドのシー・シーが笑顔で出迎えてくれました。彼女には以前、私の店で会っているので初対面ではありません。で、早速スタジオ見学。

(F-4J, "Vertical Duel" by William Arance)

http://www.aviationart.jp/product/detail.php?recordID=WAX-VDXX

画像ファイル "http://blog.cnobi.jp/v1/blog/user/eee3f45007feaae0c1c10407867f637d/1182224568" は壊れているため、表示できませんでした。


アランセのスタジオは自宅の書斎。細部にこだわり緻密な絵を描く彼のことだから、さぞ資料などもうずたかく積まれたりしているのだろうなと思って中に入ったら、拍子抜けするくらいすっきりしている部屋でした。よく考えてみればそれもそうですね。几帳面で完璧主義なアランセですから、ちらかっている訳がない。しかも彼の場合はデジタル・アートですから資料のほとんどはデジタル化されてしまっているのです。

それでも部屋の壁や棚には沢山の飛行機やヘリコプターのモデルが整然と飾られています。(ちなみにアランセの趣味はヘリコプターの操縦です)やはり普通と違うのは、モデルが彩色されていないこと。彩色されていると、ライティングをチェックしたり、モデルの成型をみたりするときに邪魔になるそうです。ちなみにモデルの成型は、彼がディテール作業に入って行く場合の順番や面の取り方を決めるのに役立つとのこと。他の作画資料としては、機体のブループリント、歴史本、機体やパイロット、ノーズアートの写真などさまざまですが、それはウェブサイトからのダウンロードであったり、古本屋や骨董屋さん、蚤の市などに足げく通って、こまめに収集しているようです。




さて、作品の話に入ります。

最初にアランセが見せてくれたのが、最近作ったというリメイク版、バトルスター・ギャラクティカ(Battlestar Galactica - 宇宙空母ギャラクティカ)のランディング・ドック。これ今、アメリカのケーブルテレビの人気番組ですが、検索すると日本でもけっこう人気あるみたいですね。それはともかく、このランディング・ドック、実際セットで作るとなるとあまりにも巨大で、あまりにも巨額の予算がかかってしまうので、デジタルの職人、アランセに依頼が来たとのことです。

宇宙船の形とドックの入り口部分のデザインはすでに決まっていたものの、あとは自由。クライアントである製作会社とのやりとりもスムーズで、思い切りいい仕事ができたと言っていました。たしかに臨場感たっぶりの、においまで伝わってくるようなランディング・ドックに仕上がっていました。

下は私のデジカメでモニターを写したもの。一方向だけのアングルですがディテールはわかりますか。



アランセはこれまで数々のハリウッド映画にも関わってきました。その中には、まだデジタル・アートという分野が存在する以前、ストーリーボード・アーティストとして、またはエアブラシ・アーティストとして、「Tron」をはじめ多くのディズニー映画の製作にも参加してきました。面白いのは、デミー・ムーアのデビュー作ともいえる「ゴースト」に出てくる「ダーク・スピリット」というお化け(キャラクター)を考え出し、しかも監督が彼の演技まで気に入ってしまい、結局クリエーターであるアランセ自身がその「ダーク・スピリット」を演じていることです。1990年の映画なので、若い人には馴染みがないかも知れませんが、機会があったらぜひ観てください。その時はデミー・ムーアよりも「ダーク・スピリット」に注目です。

しかし、デジタル・アビエーション・アーティストのアランセとしてどうしても紹介しなければならないのは、なんといっても2001年公開のブルース・ウィリス主演「Hart's War(邦名:ジャスティス)」でしょう。ここで彼はP-51 ムスタングを手がけました。下の写真は彼の作品とブルース・ウィリスの実写が合成されたカットです。

Hart'sWar
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つい先週、ふらりと立ち寄ったお客さん、第二次世界大戦中の戦闘機のアビエーション・アートばかりを熱心に観ているので、「お好きなのですか」と声をかけると、その昔B-17や、B-24、B-25を操縦していたのだそうです。中でも一番好きなのがB-24。その次がB-17。そのおじいちゃん曰く「B-25はねぇ、小さいしさ、結構欠陥が多くてね。エンジンかけてから飛び立つ前にみんなで必ず燃料漏れのチェックするんだ。なに、クンクンと犬のようににおいを嗅ぐだけだがね」 全然乗ったこともない私にはわかりませんが、でも好きだなあ、あのホンワカした感じのデザインは。
先日、コロラドに住むお客さんから電話がありました。コロラドといえばいくら同じアメリカ国内でもカリフォルニアからみれば州外なので面識はありませんが、この人、すでにリタイアしているアビエーション・アート(航空絵画)のコレクターで、ときどき暇を見つけては電話をくれます。 

彼の友達に昔のB-25をパイロットをやっていた人がいて、最近とても重い病気にかかり、高齢ということもあってかなり身体的にも、精神的にも弱っているとのこと。どうにかしてこの友人を元気づけてあげたいと、昔のパイロット仲間やらアビエーション・アートのコレクター仲間やら、ありとあらゆるところに電話をしたそうです。そうしているうちにひとり、「心当たりがあるからちょっと待っていてくれ」という人が現れ、電話を待っているとある日、突然夜中に電話が鳴り、「明日の午前11時、その人の奥さんに病気のご主人を庭に連れ出すように」とのこと。そのことをそのまま伝言すると、その奥さんも言われるままにご主人を庭に連れ出した。わけのわからぬまま待っていると、午前11時、ぴったりの時間に遠くから轟音が聞こえ始め、それがだんだん自分の家に近づいてきて、空を見上げるとなんとあのB-25が自分の家の上空をゆっくり飛んでいった、そうな。 

私はその話を聞いた瞬間、目の裏が熱くなってしまいました。と、同時にそのB-25、個人の所有だと聞いて「やっぱアメリカだなぁ」と関心。その持ち主、そのB-25を20年前に2万ドルで購入したそうです。まぁ、メインテナンスのほうがよっぽど金がかかるのでしょうが...。

(下の絵はThe High and The Mighty by Mark McCandlish, B-25です)
彼の作品はこちらでどうぞ:http://aviationart.jp/product/product-list.php?recordID=MMC
 
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プロフィール
名前:航空絵画専門「AviationArt.jp」店長
HP:AviationArt.jp
性別:男性
自己紹介:
現在、南カリフォルニアのハンティントン・ビーチというところに住んでいます。ロスの空港からは車で1時間くらい南に行ったところ。サーフィンをやる人には有名なところ、らしい、です。

アビエーション・アート(航空絵画)のお店を経営しています。(同時に額装もします)壁いっぱいに飾られた実物のアビエーション・アートはとても迫力があります。見ているだけでうれしい。日本のアビエーション・アート・ファンのみなさん、近くに来られるようなことがあったら連絡ください。タイミングがあえばエアー・ショーなどにも行きましょう。私の夢は日本とアメリカの航空絵画ファンやアーティストの交流の手助けをして行くことです。

うちの店に来られるお客さんやアーティストがいろいろ面白い話をしていってくれるので、このブログではそういったものをどんどん書き込んで行きます。

アビエーション・アートの作品は「AviationArt.jp」にて販売中です。キャンペーン期間中の日本までの送料は国際航空便で、1オーダーにつき何枚買っても10ドル均一です。

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